ペットロスの回復を妨げる誤解

ブログ毎日更新:ペットロスカウンセラー川崎恵のDiary
ペットロスの正しい知識が広まっていないため、ペットロスを誤解されている方が多いです。そして、その誤解によりペットロスが更に苦しい状態になられている方も多くいらっしゃいます。ここでは、皆様からいただくご相談内容の中で特にペットロス回復を妨げる大きな誤解をご紹介します。

泣いていたらペットは成仏しないとの誤解

「いつまでも泣いていたら、あの子が心配して成仏できない。だから元気にならなくては!」と傷ついた心で必死に笑おうとされる方が多いです。

でも、笑えないですよね。そんな簡単に前を向けるわけがないのです。無理しなくて大丈夫ですよ。

あの子達は、亡くなって直ぐに仏様(成仏)になられています。あれだけ純粋に、一瞬一瞬を生きている子達が成仏できなかったら、私達人間は誰も成仏なんて出来ないと私は思います。大丈夫、あの子達は、あなたが悲しもうと、泣こうと成仏できていますからね。

それに、心が疲弊している段階で無理しては、あなたが壊れてしまいます。それこそ、あの子達が心配しますよ。

悲しい時は、悲しむこと。泣きたい時は思いっきり泣くことが大切なのです。あなたが心のままに悲しんでいる時、きっと亡き子たちは、あなたの傍で優しく寄り添っていてくれますから、だから、無理して、必死になって、笑顔を作らなくて大丈夫ですよ。

あの子を愛していなかった・・・との誤解

「あの子を亡くて涙すら出ない。冷静に対応している私は、あの子を愛していなかったのではないかと心が苦しくなる」と言われる方が多いです。

ペットちゃんを亡くした直後、心と体に備わった防衛反応で、一時的に心身が麻痺します。その為に起こっている現実が理解できない。何も感じない。涙も出ない状況になることもあります。

これは、愛していないから起こるのではありません。愛しているからこそ、心が必死に耐えている状態なのです。大きな衝撃に心が壊れないように、一時的に感覚を麻痺させることで、今を生きることが出来ている状況なのです。

ペットロスを乗り越えなくては!との誤解

多くの方が「ペットロスを乗り越えなくては!克服しなくては!」と必死に、克服法を模索されます。

しかし、ペットロスは克服しようとして出来るものではありません。むしろ、必死になる程に、心は更に苦しくなります。

ペットロスは克服するものではなく、寄り添うものです。どんな想いが湧き上がったとしても、否定することなく、見ぬ振りをすることなく、愛している故の想いであると認めていくことです。

急がなくて良いのです。回復にかかる時間はひとそれぞれです。周囲を気にすることなく、ゆっくりと、ご自身の想いと最愛のペットちゃんへの想い、共に歩いてきた日々を心に刻んでいくことがペットロス回復への道です。

悲しみは意識しない方が良いとの誤解

「悲しいことばかり考えていては辛すぎるから、何とか気を逸らす方法を探している」と多くの方は言われます。

確かに気分転換を図るために、軽い作業を行ったり、外出することは必要です。

しかし、とても大切なことですが、悲しみは向き合わずして穏やかになることはありません。心の奥底に抑え込んでも、何もなかったように振る舞っても、悲しみは消えてなくなりません。

悲しみから目を逸らすことは、心に重たい蓋をするようなものです。そして、どんなに重たい蓋をしても、いつか何かの拍子に溢れ出ますので、目を逸らすのではなく、何よりも向き合うことがとても大切です。

悲しみに向き合うことは勇気のいることですが、向き合えば向き合う程に、悲しみは慈しみに戻っていきますから安心して下さいね。