ペットロスについて

ブログ毎日更新:ペットロスカウンセラー川崎恵のDiary

ペットロスとは

ペットロスとは愛するペットを失うことであり、ペットとの別れに伴う体験の過程を「ペットロス」といいます。これは、亡くなった時のみならず、命の期限を宣告された時から既に始まる心身の反応です。

我が子同然のペットを亡くす苦しみは想像を絶するものです。やり場のない苦しみ、悲しみ、怒りを感じ、そして時には幻聴や幻覚、不眠といった体調変化を体験することもあるでしょう。

これらは個人差こそあれ、誰もが体験するペットロスによる心と体の反応です。愛しいているからこそ感じる痛みの表れなのです。それでも、心身の衝撃に戸惑われた時は、いつでもご相談ください(ご相談メニューはこちらです)

最愛のペットとお別れをされた方へ

わが子のように慈しみ、育て、絆を育んだ子を亡くすことは、決して他者には計り知れない悲しみであり、苦しみです。もしかしたら今、生きる意味すら見失いかける程の絶望の淵にいらっしゃるのかもしれません。

どうか無理をしないでくださいね。心身ともに大きく傷ついているの状態なので、無理してポジティブに意識を持っていくよりも
思いっきり泣くことが大切です。

悲しみに蓋をすることなく、思いっきり悲しむことが心身の癒しにも繋がります。辛い時は、おひとりで耐えるのではなく、周囲に助けを求めてくださいね。

重篤なペットロスにならない為に大切なこと

  • 悲しみを我慢しない
  • 泣くことを我慢しない
  • 周囲の無理解や偏見を気にしない
  • 体をゆっくりと休めてあげる
  • 無理にポジティブになろうとしない
  • ひとりで苦しみを抱えない

ペットロスによる心と体の反応

ペット達を失った後の心と体の反応には個人差があります。そのため、他者のペットロス体験と比較して落ち込まなくて良いことを覚えておいてくださいね。

また、ペットロスの過程の中では様々な感情が湧き上がります。普段は考えもしない「死にたい」との想いすら抱き、大きなショックを受けることもあるはずです。ただ、これらは一時的なことなので、ご自身の状態を異常と判断する必要はありません。

ペットロスは病気ではありません。愛する者を喪失した際に起こる心と体の自然な反応なのです。余りの衝撃に戸惑われる事も多いかと思いますが、愛しているからこその反応であることを忘れないで下さいね。以下は、心と体の反応の一例をご紹介します。

≪心の反応≫
深い落ち込み・後悔・罪悪感・喪失感・絶望感・孤独感・不安感・怒り・憎しみ・感覚鈍麻・無気力・希死願望

≪体の反応≫
号泣・頭痛・めまい・眼精疲労・関節痛・胸の痛み・胃の痛み・嘔吐・過呼吸・パニック・倦怠感・脱力感・記憶力の低下・持病の悪化・睡眠障害・摂食障害・幻聴・幻覚

ペットロスにおける心の変化

わが子同然のペットを喪失した後、様々な心の変化を辿り回復へと向かいます。回復までにかかる時間は、皆さん異なります。数か月で元に生活に戻る方、1年、2年との歳月が必要な方。以前は半年程度で回復に向かうと言われていました。しかし、ペット達の存在が、1匹のペットから家族になり、最愛の我が子となった今、半年以上の歳月を要する方が多くなりました。

ペットロスが回復するまでの時間を人と比較する必要はありません。回復までの時間はご自身が育った環境、これまでのペット飼育歴、ペットとの関係性、生活環境、お別れの仕方、死生観など様々な事が影響しますので、ご自身のペースで焦らずに、ゆっくりと向き合われることが何よりも大切です。

以下のイラストは、ペットロスの反応が出てから回復までに心が辿るプロセスです。このプロセスを知ることで、ご自身に起こる感情の揺れを理解することができます。そして、何よりも大切なことは、感情が一直線に回復へと向かうのではなく、前向きに考えられるようになったり、深く落ち込んだりと気持ちの上下を繰り返しながら回復へと進むことを知って頂くことが重要です。

petloss

≪ターミナル期≫
余命を宣告され、不安や恐怖、絶望、苛立ちがつのります。獣医師への期待と裏切られ感に苛まれることもあるでしょう。しかし、この時期は心が「別れの準備(覚悟)」をする為にとても大切な時期です。また、最愛の子と過ごせる最後の時です。あなたの想いを伝えてあげて下さい。たくさん体を撫ぜてあげて下さい。不安な時は、いつでもご連絡下さい。慈しんで最期の時を過ごせるように全力で支えさせて頂きます。

≪死≫
最期の瞬間は、様々な迎え方になります。希望していた最期とは違う形になることも多いです。火葬は焦らずに、ご自身が納得する見送り方を探して下さい。最愛の子の死を目の当たりにすると、心は混乱し「どんな見送り方をしたいのか」冷静に考えられない場合があります。そんな時は、ご相談下さい。心を込めてお別れできる方法を一緒に見つけましょう。

≪衝撃期≫
死の直後は心身の正常な働き(防衛反応)により、一時的に感覚が麻痺します。時に、悲しみも感じず、涙も出なくなります。そして、その後にパニックや”死にたい”との希死念慮、号泣、苦悶、不眠、摂食障害など心身に様々な反応が表れます。

≪悲痛期≫
徐々に悲しみが深くなり、抑うつ、絶望、後悔、罪悪感、怒り、憎しみの感情が現れます。全ては愛する想いが大きい為に抱く感情です。ただ、悲しみが強く、愛であることに気付けないことが多いです。

ご自身を責め、周囲を責める、非常に苦しい時期です。また、他者に理解してもらえない苦しみも出てくるでしょう。ご家族間の悲しみの温度差に傷つくこともある時期です。

苦しみはお1人で抱えていても軽くなりません。また、この悲痛期に悲しみを心に抑え込むことで、重たいペットロスになる可能性もあります。苦しい時は専門家を頼って下さいね。

≪回復期≫
楽しかったことを思い出し、現実を受け入れることができはじめます。しかし、その反面、「元気になる事は亡きペットへの裏切り」との罪悪感に苛まれることもあります。
衝撃期から回復期を繰り返しながら、心が徐々に亡き子と共に歩むことができるようになります。

≪再生期≫
亡きペットが残してくれた幸せに気づく事ができるようになります。そして、感謝と共に喪失体験を肯定的に振返ることが出来るようになります。

※ペットロスを克服した後でも、命日などに再び気持ちが落ち込む時があります。記念日や命日にペットロスの反応があらわれることを命日反応(アニバーサリー反応)と言います。